力とエネルギー

とは、質量×加速度のことである。
N = kg × m/s2
・Nはニュートンという力の単位
・kgはキログラムという質量の単位
・mはメートルという長さ(距離)の単位
・sは秒(second)という時間の単位
1 N = 1 kg × 1 m/s2
1ニュートンとは、1 kgの質量を持つ物体に 1 m/s2 の加速度を生じさせる力のこと。

加速度とは単位時間あたりの速度の変化率(速度の時間微分)のことで、1秒間にどれだけ速度が変化するかを表す。
また、速度は距離の時間微分である。

地球の重力加速度は約 9.8 m/s2 (これを1 Gとも言う)
ロープアクセスの物理においてはそこまで細かい数字である必要が無いので
ここでは重力加速度を10 m/s2 とし、
10 N ≒ 1 kg × 10 m/s2
質量を100kgにすると、
1000 N ≒ 100 kg × 10 m/s2
1000倍の量を示すk(キロ)という接頭辞を用いて、(1000 N = 1 kN)
1 kN ≒ 100 kg × 10 m/s2

力は、質量が同じでも加速度が大きくなればそれに比例して大きくなり、加速度が小さくなればそれに比例して小さくなる。
100 kgの人間が地表にいるとおよそ1 kNの力がかかるが、宇宙空間のように重力の存在しない場所だと加速度は0となり、力がかからない。どちらも質量は同じ100 kgにも関わらずである。

また、一般的に静荷重といわれる状態において100 kgの物体はおよそ1 kNの力を生じさせるが、墜落を制止するような大きな加速度が生ずる(動荷重)と、それに比例して力も増えるので、1 kN ≒ 100 kgでは無いということに注意が必要である。(力と質量の単位は別次元である。)

エネルギーとは、(質量×加速度)×距離のことである。
単位はJ(ジュール)であり、1 J = 1 kg × 1 m2/s2
または 1 J = 1 N × 1 m
100kgの物体が1m落下するとその運動エネルギーは
1 kN × 1 m = 1000 J となる。
または 1 kN·m
※N·m(ニュートンメートル)は本来、力のモーメントの単位だが、エネルギーの単位であるJ(ジュール)と物理量の次元が等しく、理解もしやすいため、ここではこれを用いることとする。

エネルギーは力×距離なので、同じエネルギーであれば距離を増やせば力が減り、力を増やせば距離が減るという反比例の関係性がある。
100 kgの物体が4 m落下するという運動エネルギー(4000 J)を受け止めて制止させる場合
そのエネルギー量は、
1 kN × 4m = 4 kN·m なので、反対方向に4 kNの力を一定で1 mの距離加えれば制止させられることがわかる。
同様に、2 kNの力を一定で2 mの距離加えることでも可能である。
制止距離を0.1 mにするには、40 kNの力が必要となる。

落下の運動エネルギーが大きい(落下距離が大きい)ほど、潜在的な危険性は増すが、物体にかかる力そのものは落下距離だけでは決まらない。
エネルギーと力を混同しないように注意が必要である。(エネルギーと力の単位は別次元である。)

また、フォールアレストに用いられるエネルギー(ショック)アブソーバーは、かかる力があらかじめ決まっており、エネルギーの量に応じて伸びる距離が変わるという性質をもっている。